職場の人間関係は良好で、誰かに嫌な思いをさせられるわけでもない。
それなのに、なぜか「辞めたい」という気持ちが頭から離れない。
- 「こんなにいい人たちばかりなのに辞めるなんて、自分はわがままなのでは?」
- 「ここを辞めたら、もうこんな職場には出会えないかもしれない……」
実は、私自身もかつて「周りは本当に優しい人ばかりだったのに、どうしても気持ちがついていかない」という理由で職場を辞めた経験があります。
申し訳なさや罪悪感でいっぱいでしたが、あのとき勇気を出して一歩踏み出したことで、今では「自分らしく働ける道」を見つけることができました。
この記事では、そんな実体験をもとに、
- なぜ“いい職場”なのに辞めたくなるのか
- その気持ちにどう向き合えばいいのか
を5つの視点からお伝えします。
働く環境が良いからといって、「自分の本音」まで我慢する必要はありません。
あなたが納得できる一歩を踏み出すヒントになれば幸いです。
目次
なぜ「いい人ばかりの職場」なのに辞めたくなるのか?|心の奥にある3つの理由
人間関係が良好な職場は、転職市場でも「当たり」とされる環境です。
それなのに、辞めたいと感じてしまう。これは決して珍しいことではありません。
実際、私も「いい人ばかりの職場なのに、なぜか心がしんどい」と感じていた時期がありました。
上司も同僚も優しく、飲み会で愚痴をこぼすような人もいない。
それでも、心のどこかで「このままじゃいけない」と違和感を覚えていたのです。
ではなぜ、“環境が悪くない”はずの職場で辞めたいと感じてしまうのでしょうか。
ここでは、そんなモヤモヤの正体を整理してみます。
① 仕事内容が自分に合っていない
「人はいいけど、仕事が合わない」。
このギャップは、意外と強いストレスになります。
たとえば私自身、業務内容にやりがいを感じられず、毎日「こなすだけ」の日々に違和感を覚えていました。
どれだけ周囲に恵まれていても、自分の中で納得感がなければ、次第に心が疲れてしまいます。
② 自分だけ成長できていないという焦り
周囲が穏やかで優しいと、競争やプレッシャーは少ないかもしれません。
しかしその分、「このままでいいのか?」と内側から不安が湧いてくることもあります。
特に20代後半〜30代に差し掛かると、キャリアへの焦りが強くなりやすい時期。
私も、ふとSNSで同年代の活躍を見るたびに、「自分だけ取り残されている気がする」と落ち込んでいました。
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③ “いい人たちに申し訳ない”という罪悪感
人間関係が良い職場ほど、辞める決断に「罪悪感」がつきまといます。
- 迷惑をかけてしまうんじゃないか。
- 裏切るようで気まずい……。
けれど本来、辞めるかどうかの判断は、自分の人生のためにあるものです。
私も、当時の上司や先輩に対して申し訳なさを感じていましたが、「ここを離れないと自分を見失う」と感じて一歩を踏み出しました。
この章のまとめ
職場に恵まれていると、「辞めたいと思うこと=悪いこと」と思いがちです。
しかし、環境の良し悪しと、自分の本音は別問題。
「人間関係が良い=辞めてはいけない」ではなく、「本音と向き合う=自分を大切にする選択肢」だと捉えてみてください。
辞めたい気持ちに向き合うための3つの問い|迷いを整理するステップ
「いい人ばかりなのに辞めたい」。
この葛藤に対して、すぐに答えを出すのは難しいものです。
だからこそ大切なのは、“一度立ち止まって自分の気持ちを整理すること”。
ここでは、私自身が退職を決断したときに役立った「3つの問い」をご紹介します。
①「このまま働き続けた5年後、自分は笑っていられるか?」
目先の人間関係や業務のしやすさだけでなく、少し先の未来を想像してみてください。
私の場合、この問いを立てたとき、「今と同じことを繰り返していたら、きっと後悔する」とはっきり感じました。
未来の自分がどう感じるか。そこに目を向けることで、本音に気づけることがあります。
②「辞めたい理由を“人間関係以外”で言語化できるか?」
「人間関係が良いから辞めるのはもったいない」と感じる背景には、逆に言えば、他に辞めたい明確な理由があるということでもあります。
人間関係以外のポイントを挙げてみると、自分の本当の不満が見えてきます。
③「この職場に“残りたい理由”はあるか?」
辞めたい理由に目が行きがちですが、実は「残りたい理由」が曖昧なまま働いている人も少なくありません。
私自身、「周りに悪いから」という理由だけで職場に残ろうとしていました。
でもそれは、自分の気持ちではなく、他人への気遣いでしかなかったのです。
本当にこの場所にいたいのか。そこに明確な意志があるかどうか、自分に問い直してみてください。
この章のまとめ
辞めたい気持ちを無理に抑え込まず、自分の本音に目を向けることが、最初のステップです。
「5年後の自分が納得できる選択か」という視点で考えることで、後悔の少ない判断につながっていきます。
辞めるか残るか迷ったときの判断基準|後悔しないためのチェックポイント
ここまで「辞めたい気持ちの正体」や「本音と向き合う問いかけ」についてお伝えしてきました。
とはいえ、最終的に「辞める」「残る」を決めるには、もう少し客観的な視点が必要です。
この章では、私自身が迷ったときに役立った“判断基準”をいくつかご紹介します。
① 「心」と「体」のどちらかに限界がきていないか?
「辞めるべきかどうか」は、合理性だけで決められるものではありません。
むしろ心や身体がSOSを出しているかどうかが、重要なサインになります。
たとえば私の場合、職場では笑顔を見せていても、帰宅後に何もやる気が起きず、食欲も減っていました。
「理由は説明できないけれど、つらい」
それも立派な限界のサインです。
② 「あと3年ここで働く」と想像したとき、前向きになれるか?
将来のイメージを短期で描いてみると、意外と気持ちがはっきりします。
「ここであと数年、がんばってみたい」と思えるなら、残る価値があるでしょう。
逆に、「それはしんどいかも…」と感じたなら、今の環境はあなたに合っていない可能性があります。
③「今よりも合う場所」がないかを探してみたか?
人間関係の良い職場にいると、「ここを逃したらもう見つからない」と感じがちです。
ですが最近では、AIがあなたの特性に合う職場を提案してくれる無料ツールもあります。
たとえば、ASSIGNというアプリは、自己診断AIを通じて、あなたにフィットする働き方や企業を可視化してくれます。
転職する・しないに関わらず、「こんな可能性もあるのか」と視野が広がるだけでも、心に余裕が生まれるはずです。

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この章のまとめ
辞めるかどうかの判断は、論理だけではなく感情も大切です。
迷っているときこそ、自分の限界・未来・選択肢を一度冷静に見直してみることが、後悔しない決断につながります。
辞める決断を伝えるときに大切なこと|円満退職のためのマインドセット
辞める決意が固まったとしても、「それをどう伝えるか」で悩む人は少なくありません。
特に人間関係が良好な職場ほど、「裏切りたくない」「申し訳ない」という気持ちが強くなります。
私も実際、「あの人たちに辞めるなんて言いづらいな…」と、何度も伝えるタイミングを先延ばしにしていました。
でも、退職を伝えるときに大切なのは、気まずさを避けることではなく、「自分の軸」をぶらさないことです。
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① 感謝の気持ちはしっかり伝える
辞めること自体よりも、その伝え方次第で印象は大きく変わります。
たとえば私が辞めるときには、「本当に働きやすく、尊敬できる方々と仕事ができたことに感謝しています」という言葉を添えました。
本音としては「環境は良いけど、別の道に進みたい」という気持ちでも、相手への敬意と感謝があれば、それだけで誠意は伝わります。
② 言い訳をしない。未来の意志として伝える
といった理由は避けた方が無難です。
代わりに、
- 「今後こういうことに挑戦してみたい」
- 「別の環境で成長したい」
といった未来への前向きな意志として伝えることで、角が立ちにくくなります。
③ 気まずさを避けすぎない。多少の「申し訳なさ」は自然
「辞めること=迷惑をかける」構図から抜け出すのは難しいかもしれません。
でも、退職は“裏切り”ではなく、“選択”です。
私も、「申し訳ない」と思う気持ちを完全に消すことはできませんでしたが、それでも誠実に伝えたことで、多くの人が背中を押してくれました。
この章のまとめ
辞めるときに大切なのは、自分の意思を大切にしつつ、感謝と敬意を忘れないことです。
気まずさを完全になくす必要はありません。
むしろ、「丁寧に向き合った」という事実が、あなたのこれからを支える土台になります。
「辞めなければよかった」と後悔しないために|新しい環境で後悔しない考え方と行動
「辞める決断は正しかったのか…?」
退職後にそんなふうに不安になることは、誰にでもあります。
特に、「いい人たちばかりの職場」だった場合はなおさらです。
離れてから初めて、「あの環境は恵まれていたのかもしれない」と感じる瞬間もあるかもしれません。
ですが、それは自然な感情です。
大切なのは、その後の行動と考え方次第で未来はいくらでも変えられるということです。
①「辞めたからこそ見える景色」がある
私自身、何度も退職を経験してきましたが、振り返ると「辞めたからこそ、自分に正直になれた」と感じています。
新しい環境に一歩踏み出すことで、視野が広がり、以前よりも納得できる働き方に出会えたこともありました。
② 不安は「選択肢のなさ」から生まれる
後悔しやすい人の多くは、「辞めたあとどうするか」をイメージできていない状態で退職しています。
逆に言えば、辞めた後の選択肢が多ければ多いほど、不安は小さくなるということです。
たとえば私は、退職前に転職エージェントやキャリア相談サービスを活用し、複数の可能性を知っていたことで、前向きに退職を決断できました。
③ 自分に合う環境を「受け身」で探さない
辞めたあと、「次こそは…」と思っても、何となく求人を眺めるだけでは、また同じ悩みにぶつかってしまいます。
そこで私が活用していたのが、第二新卒エージェントneoのように、自分の価値観や適性に寄り添って企業を提案してくれるサービスです。
「職場に馴染めるか」ではなく、「自分がやりたいこと・大切にしたいこと」を中心に据える転職活動をすることで、再び後悔する可能性を減らせます。
この章のまとめ
「辞めなければよかった」と感じる瞬間はあっても、それを未来への力に変えられるかどうかは、これからの行動にかかっています。
後悔を防ぐ最大のポイントは、辞めた自分を信じてあげることです。
あなたの決断は、決して間違いではありません。
「いい人ばかりの職場なのに辞めたい」と悩むあなたへ|本音で生きる勇気を持てたなら
ここまで読み進めてくださり、ありがとうございます。
「いい人ばかりの職場なのに辞めたい」という悩みは、一見ぜいたくで、共感されづらいと思ってしまうかもしれません。
でもそれは、あなたが環境のせいにせず、自分自身と真剣に向き合っている証拠です。
環境が悪いからではなく、自分の内側から湧いてくる違和感や本音に、ちゃんと耳を傾けられていること。そ
れこそが、立派な成長のサインだと私は思います。
人間関係に恵まれているからといって、「このままここにいていいのかな」という迷いをごまかし続ける必要はありません。
あなたが自分の人生を、自分の言葉で選び取っていいのです。
その一歩が、たとえ今は小さく不安定に見えても、後からきっと「あれでよかったんだ」と思える道につながっていきます。
どうか、自分の声に正直に。
よくある質問|「いい人ばかりの職場なのに辞めたい」と思ったときの悩みQ&A
Q1. 人間関係に恵まれているのに辞めたいのは甘えでしょうか?
決して甘えではありません。
職場環境が良くても、
- 「仕事内容が合わない」
- 「成長できていない」
- 「価値観がずれている」
など、人間関係以外の理由で違和感を覚えるのはごく自然なことです。
Q2. 辞めることで、周囲に迷惑がかかるのではと不安です。
確かに一時的な業務負担が増えることはあるかもしれません。
しかし、あなたが無理をして働き続けた結果、体調を崩したり心が壊れてしまっては元も子もありません。
大切なのは、迷惑をかけないことではなく、誠実に感謝の気持ちを伝えることです。
Q3. 「いい会社を辞めたら後悔する」と言われて迷っています。
その「いい会社」が、あなたにとっても「いい会社」かどうかが重要です。
評価されている環境=あなたの価値観や未来に合っているとは限りません。
「社会的に良い」ではなく「あなたにとって良い」を基準に考えて大丈夫です。
Q4. 転職してもまた同じような悩みを抱えそうで不安です。
その不安がある方こそ、ASSIGNのような自己分析ツールを活用して、自分に合う仕事や環境をあらかじめ知っておくと安心です。
選択肢を可視化しておくだけでも、転職後のミスマッチを防ぐことができます。
Q5. 辞めたいと思っているのに、周りに言い出せません。
言い出せないのは、自分の気持ちを軽んじているからではありません。
むしろ、周囲への気遣いや誠実さがあるからこそ、言葉を選ぼうとしているのだと思います。
だからこそ、感謝の気持ちと未来のビジョンを添えて、あなたの想いを真っ直ぐ伝えてみてください。